Rapid Meister ATOMm-4000 ユーザ事例 株式会社今西製作所 様
「匠の技」と「ハイテク技術」の融合で今西製作所ならではの
新しい「ものづくり」で世界を拓き続ける提案型企業
株式会社今西製作所 様
創業は1921年(大正10年)。鋳造用の木型製作を原点に、「お客様に喜ばれる製品とサービスを心をこめて提供します」を経営理念とし、まもなく1世紀。「精密鋳造技術(迅速セラミック法)」と「3Dプリンタ(光造形法)」を融合した独自技術により、複雑形状の精密鋳造製品を僅か数日で完成させる特殊技術を海外へ積極的に発信し続ける今西製作所の代表取締役社長今西寛文氏にお話をお伺いしました。
HP:http://www.imanishi.co.jp/
Q 今西製作所の事業内容と強みについて
1921年創業以来、鋳造用木型製作を原点に、自動車関連業界を中心に多角的に事業を展開してきました。今では職人技術だけに頼るのではなく、3次元加工技術&最新のデジタル技術を基軸に、各種金型、生産設備、各種鋳造品などの製品を自動車関業界以外の分野にも幅広く展開しております。歴史は古いですが、鋳造用木型と鋳物技術、職人技術だけに頼るのではなく、時代に応じた最新のデジタル技術を社内に取り入れています。1988年には業界に先駆けCAD/CAMシステムを導入。特に永年の型技術、素材技術の蓄積である「匠の技」と最新のコンピュータによるデジタル技術の「ハイテク」を融合させ、当社独自のノウハウで各種金型や生産設備を設計製作からトライアルに至るまでスピーディーに一貫生産できる体制を取っています。
Q 3Dプリンタ導入の背景
CAD/CAMシステム導入以降、お客様からの製品に対する厳しいコストダウンと短納期に対応するため、最新の造形技術である3Dプリンタを導入し、既に保有していた精密鋳造技術(迅速セラミック法)とを融合させ、新たな精密鋳造技術を開発しました。この工法は3Dプリンタのモデルを焼失用パターンモデルとして使用することで複雑形状の製品を僅か数日で製造できます。この技術で自動車部品、スポーツ用品、医療分野をはじめとする様々な業界から試作を依頼されるまでとなりました。1996年に鋳造メーカーでは当社が初めて紙積層造形装置(LOM)を導入しました。
3Dプリンタ導入により、鋳造用パターンモデルとしての活用だけでなく、今までパソコン画面上でしか確認できなかった複雑形状をモデル出力することで、実際に鋳造前に形状を確認できるようになり、より早くお客様のイメージを形にする事ができるようになりました。実形状モデルを手にすることで、開発期間の大幅な時間短縮だけでなく、開発初期段階での検証が可能になり、お客様との意識合わせツールとしても活用しています。早い段階でのCADデータの修正、形状確認ができることにより、お客様の希望通りの製品を提供できるようになりました。
Q 精密鋳造製品を超短納期、高品質に生産
形状が複雑で多品種少量の部品や試作品は、これまで職人が木型や金型から、手間と時間をかけ作っていましたが、当社は独自の精密鋳造技術(迅速セラミック法)を開発。木型・金型・中子を作らず割り型でない一体型の精密鋳造品の製造に成功しました。この迅速セラミック法により従来の約1/4の時間で鋳型造形ができ、コストも従来の1/2、これは製造業ではほとんど例のない超革新的な特徴のある技術です。複雑な形状部品が超短納期・高品質に製造できることから国内外の様々な産業界から試作を依頼されています。
Q なぜ、弊社光造形装置を増設されたのでしょうか?
前述の通り、既に3Dプリンタを活用した迅速セラミック法を確立し、紙積層造形装置(LOM)を3台導入していましたが、装置の老朽化に伴い、次期装置を検討中でした。丁度そのころ3Dプリンタブームが始まり、多くの装置が発表されました。各種装置を検討した結果、ワークサイズ・価格・モデルの焼失性等を総合的に判断しシーメット㈱製の光造形装置「ATOMm-4000」を導入しました。「ATOMm-4000」導入に伴い、紙積層造形装置(LOM)では難しかったモデル組付け確認や透明可視化などのニーズにも対応できるようになりました。もちろん「ATOMm-4000」で使われる光硬化樹脂の焼失性は全く問題ありません。
光造形品の評価
既存のLOMモデルと比較して、鋳造現場における様々な面において機能性が向上しました。
項目 | 評価 |
---|---|
焼失時間(H) | 紙積層モデルの約1/6。紙積層炭化せず処理が容易。 |
作業性 | モデルが軽量になり、セラミック被覆作業の作業性が向上 |
造形品評価 | エッジや薄肉のような繊細な形状再現性が良い |
材料コスト | 必要な樹脂材料費は紙積層と同等かそれ以下。(ハニカムの場合) |
モデル活用範囲 | 鋳造マスタ利用だけでなく、営業サンプルとして客先設計者との意識合せ等活用範囲拡大。 |
※上記は一例です。
Q 光造形は御社の業務に対して、どんな貢献をしているのでしょうか?
積層造形は比較的形状に制限はありませんが、物性により強度が出なかったり、積層段差があることで精度を保つことが難しい面があります。特に工業製品では材料へのこだわりが強く、材料面からみるとまだまだ課題は残っていると思います。弊社では迅速セラミック法より最終製品化まで進展させることで、自動車・工業製品以外にも、芸術・デザイン・環境エネルギー医療分野にも幅広く展開していきたいと考えています。
Q 光造形装置導入後、お客様の評価はいかがでしょうか
紙積層造形とは全く違い、液体がゆえの造形条件設定等、当初は戸惑いましたが、ようやくそのノウハウも掴み、今では安定して造形出来ています。モデル精度もよく、とても満足しています。
また、これまでやったことの無いような方案検討用モデルの製作や取引がなかった業種からの新規取引先も増えております。
Q 当社をどのように評価して頂いてますでしょうか
導入時は国産であることとアフターサービスを重要視しました。私たちの希望通りの装置である上、営業・技術ともきめ細かなサービスでとても満足しています。2号機、3号機も導入したくなるメーカー様だと思っています。
Q 御社技術のご紹介を最後にお願いします。
当社はその他に自動化装置、溶接治具、プレス成形用金型、樹脂成形用金型、鋳造用金型、鋳造製品まで幅広く対応していますので、なんなりとご相談ください。
製品・技術について
製品・技術についてのお問い合わせは、下記URLよりお問い合わせ下さい。
http://www.imanishi.co.jp/web/contact_product.html
社 名 | 株式会社今西製作所 |
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代表者 | 代表取締役社長 今西寛文 |
本社所在地 | 〒732-0044 広島県広島市東区矢賀新町5丁目-7-17 |
創 業 | 1921年(大正10年)6月1日 |
W E B | http://www.imanishi.co.jp/ |
主な受賞歴 | ・元気なモノづくり中小企業300社(2008年6月 経済産業省) ・雇用創出企業1400社(2009年4月 経済産業省) ・ものづくり日本大賞中国経済産業局長賞(2009年7月 経済産業省) ・文部科学大臣表彰受賞(2013年4月 文部科学省) |